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授業科目名
担当教員
電子デバイス工学
近藤 英一
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
261205 2 I 3 前期 III
[概要]
 電子デバイスを学ぶことは2つの点で重要である。
 まず,“機械(広い意味での)”を制御する電子回路の動作原理を理解するためである。現代の“機械”は電子回路とは不可分になっている。卒業研究や就職後,電子デバイスや回路を使ったり作ったり使ったりするための知識を身につけることは,機械・精密系技術者に必須であり,同時に,学んでいない機械系の者に対して優位に立てる。
 第二は,情報精密機器を製造する技術者(になる者)の基礎教養としてである。携帯電話やデジタルカメラに代表される情報精密機器産業は,現代日本産業の牽引力であり,それを製造する業界は,Iコースの卒業生の大半の就職先でもある。たとえば携帯電話の機能を考えてみよう。通話は,音声を電波にのせ送信し,受信した電波をまた音声に戻す。液晶ディスプレイに情報を表示する。多くの携帯電話にはCCDカメラが備わっている。そして,情報を処理するための回路を構成する多くの電子デバイスがある。このように,電子デバイスは精密情報機器の核心であり,その動作原理をじっくりと学ぶことができるのは大学時代の今しかない。
 本講では,電子デバイス(固体電子工学)の基礎と 特性・デバイス応用について講義する。デバイスを動作させるために必要な簡単な回路理論および電子回路についても取り扱う。
[具体的な達成目標]
以下について用語や数式を理解し標準問題集兼および授業中に出題する問題について独力で解けること。それらについて問う試験で60%以上の得点が得られること。

 電源,キルヒホッフの法則,インピーダンスについて馴染んでいる
 原子の電子構造とエネルギー準位について説明できる
 エネルギーバンド図をもとに固体中のキャリアのふるまいについて説明できる
 固体中のキャリアのふるまいをもとに半導体の特徴を説明できる
 pn接合,pnp(npn)接合のバンド図を描くことができる
 ダイオードとトランジスタの動作をバンド図に基づいて説明できる
 pn接合とダイオード,ダイオードの電流電圧特性図を読める
 pn接合をもとに,センサ類の動作原理を説明できる
 ダイオードやトランジスタがなぜ論理演算や増幅を行えるか説明できる
[必要知識・準備]
 物理学I~III、応用物理学I~IIのうち、電磁気学、固体物理・材料物理、量子力学等に関する知識が必要である。
 機械・精密系の学生になじみが少ない分野なので,難しく感じるかもしれない。電子工学としてはごくごく初歩的な簡単な内容であるので,単に問題を解くのではなく概念を理解するようにこころがけること。
[評価方法・評価基準]
評価は毎回の小テスト(演習)、レポート、期末試験で行う予定である。比率はおおむね1:1:2であり、合格点(可)を60点とする。
[教科書]
  1. 情報系のための基礎回路工学, 共立出版, ISBN:432008599X
[参考書]
  1. 半導体工学, 東京電気大出版局, ISBN:4501311908
  2. 図説 電子デバイス, 産業図書, ISBN:4782890168
  3. 相川,石田,橋口, 新版 電子工学概論, コロナ社, ISBN:4339005657
[講義項目]
1.ガイダンス,電子回路の基礎
2,3.原子の電子構造
4,5.固体中の電子のふるまい
6,7,pn接合とダイオード
8.中間試験
9,10.pnp接合とトランジスタ
11,12.トランジスタの原理と静特性
13.論理回路と増幅回路 
14.その他のデバイス
15.定期試験
[教育方法]
教科書を用いた講義形式で行う。毎回小演習を行い,問題を独力で解く。ビデオによる周辺技術の紹介も行いたい。教科書には演習問題がないので,随時「問題集」を配布する。また,補助説明資料を配布するので教科書と同様に学習すること。
[JABEEプログラムの学習・教育目標との対応]
 JABEE機械情報工学プログラムの学習・教育目標:D ○
 JABEE個別キーワード:電気電子回路,周波数応答,信号変換伝送,電子電気デバイス製作
[その他]
※オフィスアワー 木曜17:00~18:00 A7-204教官室