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授業科目名
担当教官
細胞観察法特論
早川 正幸
時間割番号
単位数
コース
履修年次
期別
曜日
時限
325240 2 (未登録) 1 前期 II
[概要と目標]
顕微鏡による細胞観察技術の進歩は、生命工学の飛躍的な発展を導いてきている。本講義ではまず、細胞の形態と基本構造、さらに酵素や生理活性物質生産等の有用機能を総括する。また、蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡を含む光学顕微鏡、および電子顕微鏡(走査型電顕、透過型電顕)について、それぞれの工学的原理に触れるとともに、細胞オルガネラや生体分子の観察のための高度技術の詳細を述べる。次いで、細胞観察技術の生命工学研究、特に有用菌の選別と工業的利用に関する研究への応用例を講義する。即ち、工業微生物(細菌、放線菌、カビ、酵母)の形態に基づく識別法、被験菌の形態異常を指標とした新規抗生物質生産菌のスクリーニング法、さらに、蛍光抗体法等の染色技術と最新の画像処理技術を駆使した特異的遺伝子や有用微生物クローンの特定および環境汚染物質分解菌のモニタリング等の先端研究に関する理論と実際を講義する。
 授業では、英文レポートの作成と発表および質疑応答を学生に課し、語学力と課題解決力の向上を図る。
[必要知識・準備]
 微生物学に関する一般的知識を必要とする。「工業微生物学」、「微生物育種学」等の微生物学に関連した学部授業の復習をしておく。
[評価基準]
 断片的な知識の理解のみではなく、それが体系化されているか否かを、レポートおよび試験で評価する。
[教科書]
  1. Biology of Actinomycetes, Japan Scientific Societies Press, ISBN:476221552X
[参考書]
  1. 微生物学における電子顕微鏡技術(上、下), 学会出版センター, ISBN:4762252840
[講義項目]
1.細胞観察法概論
(1)観察技術とその微生物工学への応用
(2)細胞構造
2.細胞の特徴づけ
(1)細胞の微小構造(表層、細胞膜、核、細胞基質)
(2)微生物細胞の特徴(細胞学、栄養学、代謝)
3.工学顕微鏡、走査型および透過型電子顕微鏡
(1)工学的原理
(2)生物試料作成法(一般染色法、固定法、超薄切片法、ネガティブ染色法)
4.細胞観察技術の工学的応用
(1)工業微生物群の分類および同定
(2)工業微生物群の選択分離
(3)工業微生物群の育種
(4)生態工学(抗生物質生産菌、環境汚染物質分解菌のモニタリング等)