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授業科目名 禅と文化
時間割番号 051010
担当教員名 今  義博
開講学期・曜日・時限 後期・月・II 単位数 2
<対象学生>
全学生対象
<授業の目的および概要>
芸術と同様に宗教(結局、人間の心)は外から(客観的に)見るのではその本質は理解できない。いわゆる宗教学は科学として「外から見る」立場からなされる学であるため、その立場に立つ限りの宗教学者には宗教は見えていない。オウム真理教の本質が見えなかった宗教学者が多くいたのは我々の知るところである。むろん、ものごとを「外から見る」見方に偏向している今日の状況では多くの人々にも宗教の真の姿は見えていない。変革期にある今日、不安は我々の身近にあるが、人々を惑わすまやかしの宗教も身近にある。宗教に絡む犯罪もあとを絶たない。多くの場合、人々は自己自身をさえ「外から見る」ことに終始している。宗教から見れば、そのためそういう人は自己を喪失していると言える。宗教は、そして心は、「内から見る」のでなければ見えない。内から見て初めて自己自身がわかり、また同時に他人の心も、宗教の正しい姿もわかる。「内から見る」とはどういうことかをテキストを通して、また坐禅の実習を通して理解してもらい、禅が日本文化と関わり合うその本質的連関について理解してもらうことに努める。
<授業の方法>
講義及び坐禅の実習。
<成績評価の方法>
出席状況、授業態度、試験結果またはリポートの内容などに基づいて総合的に評価する。
<受講に際して・学生へのメッセージ>
一般的な傾向として学生に問題意識が薄いのではないかと感じる。また試験答案に、私が「Aではない」と言ったことを「Aである」と答えている人がいたりするが、これなどは注意力に問題があるように思う。授業には集中していただきたい。また講義の形式だととかく受け身的な姿勢になりがちだが、積極的な取り組み方を望む。疑問に思ったことについては質問するなり、自分で調べるなりしてほしい。
<テキスト>
  1. 授業で紹介する。
<参考書>
  1. :授業で紹介する。
<授業計画の概要>
講義は、宗教の特徴、禅(Zen )の特徴、禅における
自己の問題と己事究明(自己と自己意識、自己と他者、
生と時(時間)、生の無前・無後、生と死、生と価値・意味、無
心)、禅の歴史、坐禅の仕方(調身、調息、調心)、坐禅
の実修、禅の表現としての語録、禅と日本文化(禅がも
たらした文化観の革新性、日本の芸道や美術などに表れ
た禅)などのテーマを論じる。