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授業科目名
社会医学
担当教員
山縣 然太朗
時間割番号
単位数
履修年次
期別
M004183 2 3 通期
[学習目標]
【一般目標】
 将来どのような場にあって保健医療に携わるにしても,一人前の医師として公衆衛生の場で対応できる思考力の涵養と態度,すなわち,Public Health Mindedを身につけることである。
1)知   識
 公衆衛生学分野の対人保健サービスに関する事項を,予防医学の視点から,すなわち,疾病にかからないための健康増進(一次予防),早期発見早期治療(二次予防),さらに,疾患を持つものの機能回復,社会復帰(三次予防)の視点から保健・医療・福祉を総合的に学ぶ。
2)技   能
 EBM(Evidence-based Medicine)に対応できる資料収集および判断能力の育成とともに,論理的思考能力,表現能力などのデベート能力の向上をはかることを目的に討論会を実施する。1グループ4人で進行班,賛成班,反対班が一つのテーマについて担当する。各討論終了後にデベートの勝敗および各自のテーマに対する意見をレポートする。
3)態   度
 対人保健サービスの現場において,住民の立場に立って対応できる態度を身につけるために,実習を行う。保健所,市町村,病院,学校,老人保健施設,障害者施設など25箇所に分かれて,自分たちの立てた実習目標と計画に沿って実習をし,報告会および実習レポートを作成する。
【行動目標】
 到達目標として評価方法に具体的に記した
[授業計画]
(1)講義及び実習ガイダンス	1			
(2)公衆衛生学総論	2	
	総論1:公衆衛生学の歴史と業績		
	総論2:新しい保健学,地域医療学		
				
(3)公衆衛生各論	18	
     保健統計の主要指標,衛生行政,健康増進,生活習慣病対策,母子保健
	学校保健,老人保健,精神保健,感染症,国際保健,エイズ,難病
	医療対策 医療費 医療保障,保健関連法規,介護保険		
				
(4)トピックス	7	
	EBM,母子保健と障害児医療,分子遺伝疫学,公衆衛生学と人類遺伝学の接点
	遺伝子診療外来,21世紀の母子保健−世界の小児の事故,らい予防法・優生保護法		
				
(5)討論会	10	
	討論会準備		
	討論1 日・米・英・仏の医療制度の比較
     討論2 子どもの脳死移植の問題
     討論3 非配偶者間の生殖補助医療技術は認められるか
         討論4 喫煙対策の立案,
     討論5 患者の輸血拒否に対する対処について,		
	討論6 胎児条項による人工妊娠中絶の是非
     討論7 介護保険法の現状と課題		
	討論8 国際医療保健協力で日本は何をすべきか		
				
(6)実習	20	
    実習計画書作成		
    実習先		
	保健所(身延保健所,韮崎保健所,小笠原保健所,大月保健所,		
          甲府保健所,吉田保健所,日下部保健所,石和保健所),
     学校(三村小学校,玉穂中学校),
     市町村(甲府市役所健康衛生課,塩山市保健環境課),
     授産施設等(勝沼授産園,いずみ園,穴山の里,白樺園,美咲園,グリーン・ヒル・           ホーム),
     精神保健福祉センター,
     特別養護老人ホーム,老人保健施設
      (春光園,快晴苑,明山荘,いちのみやケアセンター)
     病院(城東病院,巨摩共立病院,飯富病院)		
    実習報告会
[評価方法]
試験・評価方法
・試験受験資格の出席の最低ラインは講義の2/3以上(30コマ)と実習(実習準備,実習 報告会を含む)。
・ミニテストはその日の講義の確認を目的として講義の最後に実施(出欠票となる)。
・確認テストを系統講義の後に行い,評価の対象とする。
・最終試験形式は筆記および面接とする。
・総括評価は最終試験と実習レポートを中心に,確認テスト,討論会の発言状況を加味しておこなう。
・到達目標を列挙する。
1.健康,障害と疾病の概念を説明できる。
2.日本の衛生行政の組織について述べることができる。
3.健康危機管理について説明できる。
4.地域保健法について基本的な考え方を述べることができる。
5.保健所と市町村の業務についてその役割分担を中心に列挙できる。
6.世界保健機構の活動の支柱となっているプライマリーヘルスケアを簡潔に説明できる。
7.プライマリーヘルスケアを担う医師に求められている役割とはなにか説明できる。
8.母子保健の水準を示す指標で重要なものを8つ示し,そのうち2つについて最近の動向を概説できる。
9.学校医の役割について述べることができる。
10.日本人の死因の推移について説明できる。
11.がんの統計について最近の動向を概説できる。
12.生活習慣病の概念を説明し,この名称の導入の意義を述べることができる。
13.老人保健法の保健事業を列挙し,簡潔に説明できる。
14.老人保健施設について,他の老人施設との比較で,説明できる。
15.任意入院,措置入院,医療保護入院をそれぞれ簡潔に説明できる。
16.ノーマライゼーションとはなにか,説明できる。
17.日本におけるHIV感染者,AIDS患者数の年次推移について説明できる。
18.結核緊急事態宣言とはなにか,説明できる。
19.予防接種法について平成6年改正のポイントを述べることができる。
20.日本の医療保険,公費医療を説明できる。
21.医療費の収支を将来予想を概説できる。
22.高齢者福祉と高齢者医療の特徴を説明できる。
23.老人医療制度の対象者と費用負担について述べることができる。
24.介護保険制度の第1号被保険者,第2号被保険者とはなにか。対象者と受給権者,保険料負担について述べることができる。
25.なぜ,いま,EBMの重要性が指摘されているのかを説明できる。
26.ヒトゲノム計画は社会とどのような接点をもつか,考えを述べることができる。
27.健康日本21とはなにか,説明できる。
28.Population strategyとHigh risk strategyの違いが説明できる。
29.健やか親子21とは何かを説明できる。
30.健康政策立案の方法を概説できる。
[教科書]
  1. 国民衛生の動向, 厚生統計協会, ISBN:4875112483,
    (必須である 最新版を用いること)
[参考書]
  1. 図説 国民衛生の動向, 厚生統計協会, ISBN:4875112483,
    (最新版を用いること)